学生マンションと普通の賃貸の違いとは?メリットデメリットについて解説!
進学をきっかけに、ひとり暮らしをスタートする学生も多いでしょう。そんなときに気になるのが「物件探し」です。一般的なマンションを選ぶのもよいですが、せっかくなら「学生に特化したマンション」を選んでみませんか?
学生マンションのメリット・デメリットについても解説していますので、ひとり暮らしを希望の学生は参考にしてください。
学生マンションとは
学生マンションとは、その名のとおり学生のために用意されたマンションのことをいいます。学生寮や学生会館などもありますが、学生マンションは基本的に普通の賃貸とほとんど変わりません。
しかし、学生専用というだけあって、入居時には合格証や学生証などが必要になります。またうれしいメリットも多いので、進学を機にひとり暮らしを考えている方は学生マンションを検討してみるのもよいでしょう。
食事付き学生マンション
その名のとおり、食事が付いている学生マンションです。朝昼晩、決まった時間に食事が用意されるので、自分で用意する必要がありません。そのため、勉強や部活に集中したい方でも安心してひとり暮らしができます。
ただし、土日祝や夏季休暇、年末年始は提供されないので注意してください。食事付き学生マンション以外にも、学生がお得に住める物件が多数あります。ぜひ、自分の条件に合ったところを探してみましょう。
普通の賃貸との違い
学生マンションは、学生寮や学生会館とは仕組みが異なります。では、普通の賃貸とはどんな違いがあるのでしょうか?「基本的な仕組みは同じ」といわれていますが、初期費用やサポートなどは違うはずです。
ここでは、2つの違いについて解説します。
入居者の年齢が近い
学生が集まるマンションなので、年齢が近い者同士で仲良くなれます。なかには社会人が入居できる物件もありますが、基本的に学生のみになるため、普通の賃貸のように周囲の大人を気にする必要がありません。
しかし、学生寮や学生会館に比べると交流の場は少なくなるでしょう。
物件数が少ないことも関係していますが、普通の賃貸に住むのと変わらないので、エントランス以外での共有スペースがありません。そのため、積極的にコミュニケーションを取らないとなかなか仲良くなれない可能性があります。
セキュリティが充実
学生マンションはオートロックやカードキー、防犯カメラなど、セキュリティ設備が充実しています。管理人が常駐しているところも多いので、はじめてのひとり暮らしでも安心して生活できるでしょう。
もちろん、セキュリティ以外の設備も整っています。物件によって内容はさまざまですが、風呂トイレが別になっていたり、Wi-Fiが利用できたり、宅配ボックスやエアコンが完備していたりといった快適な環境のもと生活をスタートできるでしょう。
また、警備会社と契約している物件も存在します。
門限がない
一般的なひとり暮らしとほとんど変わらないため、門限・ルールがありません。好きな時間に帰宅してもよいですし、自由に外泊できます。
最近は、学生寮でも門限が廃止され、以前より開放的になりました。しかし、学生マンションははじめから普通の賃貸と仕組みが同じなので、近所迷惑にさえならなければ好きなように生活してもOKです。
ただし、物件によって多少条件に違いがあるため、AのマンションはOKでも、BのマンションはNGということはあります。入居前にきちんと確認し、自分の条件に合うところを選ぶようにしましょう。
食事・サポートなし
普通の賃貸と同じなので、当然食事やサポートはありません。なかには食事付き物件もありますが、基本的に自分で家事をすることになるため、料理が苦手な人には少し負担になります。だからといって、収入のない学生が毎日コンビニ食にしてしまうと大変です。
また、万が一ケガや病気をしても、サポートしてくれる人がいません。家族が遠方に住んでいる場合、自分で対処しなければいけないため、寮母・館長のサポートが受けられる学生寮・学生会館に比べると大変でしょう。
しかし、好きな時間に食事ができ、自己管理できる点は大きなメリットです。
仮押さえの有無
仮押さえとは、入居前に「とりあえず押さえておきたい物件」を申込むことをいいます。通常、普通の賃貸ではできませんが、学生マンションのみ仮押さえが可能です。
というのも、合格発表まで待ってしまうと、学生マンションに入居できない場合があるからです。仮押さえができれば、たとえ不合格でもキャンセルできるので、慌てて物件を探す必要がありません。
とくに人気の物件を狙っている方や遠方の学校に進学予定の方は、仮押さえをしておいたほうが安心です。
学生マンションのメリット
学生マンションは普通の賃貸と大差がないため、基本的に自由に生活できます。ここは、学生にとって大きなメリットでしょう。
ほかにも、以下のようなメリットがあります。
設備が整っている
セキュリティはもちろんのこと、各設備が整っています。たとえば、オートロック・防犯カメラ・女性専用フロア・管理人常駐などです。
物件によって特徴は違うものの、学生が安心安全に暮らせるように作られているため、普通の賃貸よりもセキュリティや設備が充実しているでしょう。
ここでは、よくある学生マンションの設備を紹介します。
1つ目は、防犯サムターンです。サムターンは玄関ドアの内側にある「つまみ」を意味し、スイッチ式にすることで防犯性が高くなります。プログレッシブシリンダーキーやダブルロックキーシステムにすることで不正開錠やドリル破壊による侵入も防げるでしょう。
2つ目は、防犯シャッターです。ベランダからの侵入を防ぐために設置されたもので、キーロックとWでブロックします。
3つ目は、TVモニター付きインターホンです。近年の新築にも多く設置されているタイプですが、モニターに来訪者を映し出すので、不審者や勧誘などを未然に防ぐことができます。とくに女性のひとり暮らしは、このタイプのインターホンのほうが安全でしょう。
ほかにも、浴室暖房換気乾燥機やハンドシャワー水栓、温水洗浄便座などうれしい設備が充実しています。
立地条件がよい
最近は、入学する大学から検索できる物件が増えており、立地条件もよくなっています。通学しやすいエリアにある学生マンションなら、通学の時間を短縮できるほか、交通費の節約にもつながるでしょう。
大学の近くに物件がない方も、自転車通学しやすい・バスが利用できるなども条件に入れると見つけやすくなります。
家具・家電製品が完備
家具・家電製品が完備しているところが多いのも、学生マンションのメリットでしょう。卒業すると退去になるため、わざわざ家具・家電を揃えるのはお金もかかり大変です。
学生マンションなら冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど、生活に必要な家具・家電が完備しているところが多いので、処分や引越しにかかる手間も省けます。契約後、すぐに入居できるのもうれしいでしょう。
またほとんどの物件は、無料のWi-Fiが設置されているので安心です。
入居審査・手続きがしやすい
契約は、学生の保護者が行うため、入居審査や手続きで不安に感じる心配がありません。なかには、通学する大学が決まっている学生マンションもありますが、それ以外は学生であれば誰が入居してもOKです。
友だちを作りやすい
学生マンションは一人ひとり部屋が与えられるため、学生寮のように相部屋になりません。そのため、友だち作りに苦労するイメージがありますが、実際は「お隣さんが学生」なので、普通の賃貸でひとり暮らしをするよりも友だちが作りやすいといわれています。
また「同じ学生」という共通点もあり、距離も縮めやすいでしょう。
学生マンションのデメリット
一方でデメリットもあります。「学生マンションはやめたほうがいい」という意見もあるため、メリット・デメリットどちらも理解したうえで自分に合った物件を探してみてください。
家賃が高め
セキュリティや設備が充実しているため、普通の賃貸に比べて家賃が高く設定されています。もちろんエリアによって相場は変わってきますが、都市部に建っていることが多いので、全国的にどの物件も相場は高いでしょう。
また「地方だから安い」ということはないようです。さらに、普通の賃貸は2年ごとの契約更新になりますが、学生マンションは1年ごとのところがほとんどです。毎年契約更新しなければいけないと考えると、やはり負担は大きくなります。
少しでも家賃を抑えたい方は、ほかの選択肢も視野に入れてみてください。
一般的に、入居にかかる費用は普通の賃貸と同様です。敷金礼金・入館料・更新料・家賃・共益費・仲介手数料などが挙げられ、なかには敷金返金・入館料がかからない物件もあります。
ライフラインは自分で申込み手続きをすることになりますが、指定の会社を利用する場合や契約条件に固定費が含まれている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
物件数が少ない
近年は少しずつ物件数が増えてきていますが、それでも希望条件に合う物件を見つけるのは困難です。大学の場所によっては、なかなか空き部屋が見つからず、入居を断念する方も少なくありません。
また、部屋数に限りがあるため、人気物件はすぐに埋まってしまいます。学生マンションはほかの賃貸とは違い仮押さえができる点はメリットですが、どうしても早い者勝ちになってしまうのはデメリットでしょう。
そのため、家賃スライドシステムや合格発表前予約システムを利用するのもおすすめです。
友だちを泊めるのはNG
物件によっては、友だちを泊めるのが禁止されているところもあります。とくに女性専用マンションは、友だちであっても男性を招くことができません。
また学生が多いことでマナーや騒音でトラブルになるケースも多く、なかには制限・ルールを設けている物件も存在します。学生寮などに比べると自由度は高いものの、物件ごとに利用規約が違うので、その点は十分注意しましょう。
卒業すると退去
基本的に、卒業と同時に退去することになります。そのため、一人ひとり暮らしを続ける場合は普通の賃貸を契約しなければいけません。
ただし卒業後、大学院や専門学校に通う場合は継続して入居できます。
学生マンションが向いている人
ほかの賃貸にように自由に生活できる点は大きなメリットですが、一方で家賃が高い・物件数が少ない・卒業後は退去するなどのデメリットもあるため、どうしても向き不向きがあります。具体的には、どのような人に向いているのでしょうか?
まず、合格前に入居先を決めておきたい方です。学生マンションは仮押さえができるので、合格すればすぐに入居でき、不合格ならキャンセルできます。
次に、セキュリティを重視した物件を選びたい方です。学生のひとり暮らしに不安を抱えている親御さんにとって、設備が充実している学生マンションは安心でしょう。
ほかにも、大学に近い物件を探している方や自由度を重視している方、年齢層の近い住人がいる物件に住みたい方にも向いています。
仮押さえシステムについて
「普通の賃貸との違い」でも解説しましたが、学生マンションは仮押さえができるので「入居予定」の段階でも申込みが可能です。仮押さえには「家賃スライドシステム」と「合格発表前予約システム」の2つがあり、導入している物件であれば早めに部屋を押さえることができます。
ここでは、それぞれのシステムについて解説します。
家賃スライドシステム
家賃スライドシステムとは、入居日までに家賃が発生しないシステムです。たとえば、進路が確定する10月頃に契約しても、3月下旬に入居日をスライドできるので、その期間は家賃を支払う必要がありません。
入居後に家賃が発生するため、かなり早い段階で仮押さえしても安心して入居できます。遠方の大学に入学予定の方や希望の物件がある場合は、この方法がベストでしょう。合格後に部屋が見つからず焦ることもありません。
ただし、このシステムを導入している物件は、卒業と同時に退去することになるため、次の物件が決まっていないと大変です。空室や部屋数が確認しやすいのはメリットですが、卒業後もひとり暮らしを継続する方は、そのことも念頭においておくようにしましょう。
合格発表前予約システム
合格発表前予約システムは、その名のとおり合格発表前に物件予約ができるシステムです。合格後の物件探しでなかなか部屋が見つからない場合を考慮して導入されたシステムになり、事前に契約できるので合格後は安心して入居できます。
万が一不合格になっても、キャンセルや返金にも対応しているので安心です。ただし、自分の意思でキャンセルをした場合は、返金の対象外になります。物件によって契約内容が違うので、事前にきちんと確認しておきましょう。
まとめ
学生マンションと普通の賃貸の違いについて、メリット・デメリットを含めて紹介しました。学生が生活する物件と聞くと、学生寮や学生会館をイメージする方が多いでしょう。
もちろん今でも存在しますが、門限やルールが厳しく自由度が低いため、向き不向きが大きくわかれます。
一方で学生マンションは普通の賃貸とほとんど同じなので、相部屋になる心配がなく、厳しい決まりごともありません。それでいて「隣人さんは同性代」となると、普通のマンションでひとり暮らしをするより住みやすく感じます。
大学から通いやすい立地条件のところも多いですから、学生にとっては大きなメリットになるでしょう。進学を機に親元を離れる方は、ぜひ学生マンションを検討してみてください。