分譲マンションを賃貸に出す際に押さえておきたいポイント

       
公開日:2025/02/15  

分譲マンション分譲マンションを賃貸に出す際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが必要です。管理規約や近隣との関係、賃料設定や契約内容など、事前にしっかりと準備しておかないと、思わぬトラブルに発展する可能性があります。本記事では、マンションをスムーズに賃貸に出すために知っておくべきポイントや注意点を詳しく解説します。

所有する部屋の今後の利用計画を立てる

まず、所有する部屋を賃貸に出す際は、その利用目的に応じた契約形態を選ぶことが重要です。長期的に安定した賃貸収入を得たい場合や、将来的に自分で使用する予定がある場合など、さまざまな条件によって最適な契約形態が異なります。契約を結ぶ前に、部屋の利用計画を立てることで、もっとも効果的な賃貸契約を選べます。

一般的な「普通借家契約」

長期的に部屋を賃貸に出したい場合は、「普通借家契約」が一般的です。通常、契約期間は2年や3年で設定され、期間満了後も入居者が更新を希望すれば契約を継続できます。この契約方式は賃貸市場で最も一般的なものであり、安定した入居者を確保しやすい点が魅力です。また、通常の市場相場で家賃設定ができるため、予測しやすい収益が期待できます。

短期利用に適した「定期借家契約」

一定期間のみ賃貸に出したい場合は「定期借家契約」が適しています。この契約方式では、契約期間が終了すると更新はなく、所有者の意思により再契約が決まります。たとえば、将来的に自分や家族がその部屋を使用する予定がある場合、柔軟に対応できる点がメリットです。また、賃貸期間を自由に設定できるため、所有者の計画に合わせた貸し出しが可能です。

各種費用の見積もりを行う

分譲マンションを賃貸にするためには、さまざまな費用が掛かります。以下で2つのポイントをおさえておきましょう。

ハウスクリーニング代とリフォーム代の見積もり

分譲マンションを賃貸に出す際には、まずハウスクリーニングとリフォームの費用を見積もる必要があります。通常、入居者が退去した後や新たに賃貸を開始する前には、部屋全体のクリーニングが必要です。なお、長期間住んでいた場合や、汚れが目立つ部分がある場合には、壁紙の張り替えや畳の交換などのリフォームも検討する必要があるでしょう。

また、設備が古くなっている場合も、キッチンやバスルームのリフォーム費用も計上しておくと安心です。こうした費用は物件の状態やリフォームの範囲によって異なるため、あらかじめ見積もりを取り、予算を立てておきましょう。

管理委託料の確認

不動産会社や管理会社に物件の管理を委託する場合、管理委託料が発生します。これは、入居者の募集や家賃の回収、物件の維持管理、入居者からの苦情対応などを行うための費用です。管理委託料は、通常は家賃の数パーセントが相場ですが、業者やサービス内容によって異なるため、複数の管理会社から見積もりを取り、比較を行いましょう。

また、賃貸管理の業務をどこまで委託するかによって費用が変わるため、自分で対応できる部分と管理会社に任せたい部分を明確にすることが大切です。

分譲マンションを賃貸に出す際の注意点

最後に、分譲マンションを賃貸に出す際の注意点について3つに分けて紹介します。

金融機関への報告義務

分譲マンションを賃貸に出す際、住宅ローンを利用して購入した物件であれば、まず金融機関に報告する義務があることを忘れてはいけません。住宅ローンは自らが居住することを前提に、通常の不動産投資ローンよりも低い金利で提供されています。そのため、賃貸に出すことで居住者が変わる場合、金融機関にその事実を報告しなければならないのです。

報告を怠ると、契約違反となり、最悪の場合、住宅ローンの一括返済や、不動産投資ローンへの借り換えを求められる可能性があります。

住宅ローン控除の適用外になるリスク

住宅ローンを利用している場合、住宅ローン控除を受けているケースが多いでしょう。しかし、分譲マンションを賃貸に出した時点で、住宅ローン控除の適用はなくなります。住宅ローン控除は、自らが居住する住宅に対してのみ適用される制度のため、賃貸に出すことによりその対象外となるのです。そのため、賃貸による収益があったとしても、控除の恩恵を失うことで、結果的に納税額が増加する可能性があります。賃貸に出す前に、この点を十分に理解しておくことが重要です。

特例が適用される場合もある

一時的な転勤や出張の間だけ、短期間でマンションを賃貸に出す場合には、住宅ローンをそのまま継続できる可能性があります。このような特例が認められるかどうかは金融機関によって異なるため、賃貸に出す計画を立てる前に、まずは金融機関へ相談することが大切です。

転勤や一時的な不在などの理由であれば、特別な条件のもとで住宅ローンをそのまま維持し、賃貸経営を行うことが認められるケースもあります。正しい手続きを踏むことで、賃貸に出す際のリスクを最小限に抑えられます。

まとめ

分譲マンションを賃貸に出す際は、事前の計画が重要です。まず、所有する部屋の今後の利用計画をしっかりと立て、目的に応じた賃貸借契約を選びましょう。次に、各種費用の見積もりを行い、予算を把握しておくことが大切です。また、金融機関への報告や住宅ローン控除の適用外となるリスクなど、注意点を押さえておくことも重要です。これらのポイントをしっかりと確認し、賃貸経営をスムーズに進めていきましょう。

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